家族から住まいを見る、という視点に立ち、団欒の場を中心とした家族空間を、どう考え、どう具体的に構成していくか。みなさんひとりひとりがこのテーマを考える際には、自分自身の家族像と向き合う作業を伴います。夫婦で歩む人生は、その過程で家族パターンが変わります。概ね、子どもによって変えられるとも言えますが、例えば、結婚して2人で暮らし、子どもが生まれ、親子が「川の字」になって寝る時代から、子どもが学校に入り、思春期を経て社会人として独立し、再び夫婦2人生活に戻るといった具合です。家族の成長・変化とともに、当然住まいも変わっていきますが、子どもの誕生・入学・卒業、妻が働きに出るなど、さまざまな節目節目で、家族パターンが変わるとき、家族像を再点検し、住まいの家族空間を見直すことが大切です。単に物理的な便利さが実現されればいいのではなく、住まいの変化によって、家族関係の再調整を試みることこそが大切であり、そもそも、そのための建替えであり、リフォームです。それぞれの節目が家族にとっていかに重要かは、離婚率のピークが、その時期、ひときわ高い山を形作っている事実からも窺えます。家族は、いつも自然に、空気のように存在していると思ってしまいがちなもの。住まいという家族を包み込む器を、常に意識し改良し続けなければ、家族が揺らいでしまいかねない現代人は、家族受難の時代を生きているといっていいかもしれません。
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